お口の知識
子どもの発熱と歯が痛いのには関連性がある?考えられる病気について徹底解説
2021.07.30
子どもの発熱と歯が痛い症状は、一見関係がないことのように感じる方も多いのではないでしょうか。発熱というものはそもそも細菌感染を起こし、菌と体が戦っている証拠でもあります。
お口の中には「虫歯菌」や「歯周病菌」など、細菌が多数存在します。そのため、お口の細菌が原因で、子どもが発熱したり痛みが出たりするケースも大いに考えられます。またお口の細菌だけではなく、他の体の病気が原因で発熱して、歯が痛いと感じる場合もあります。
熱と歯の痛みでつらいお子さんには、早急に適切な対応をとる必要があります。本記事では、子どもの発熱と歯の痛みの関連性について詳しくお話していきます。
歯が原因で発熱や痛みは出る?考えられる6つの病気
虫歯や歯周病などのお口の病気は、風邪やインフルエンザなどと同じ「細菌感染の一種」です。歯の細菌が原因で、発熱や歯に痛みが出る可能性も十分に考えられます。
ここでは、歯が原因で発熱や痛みが出ると考えられる、以下の6つの病気についてそれぞれ詳しく解説していきます。
①虫歯の重症化
虫歯は軽度の場合は歯に限局した痛みで、発熱するまでには至りません。ただ虫歯が重症化すると、発熱を引き起こす可能性があります。
虫歯が重症化して神経が死んでしまうと、歯の根っこの部分が炎症を起こして先端部分に膿が溜まることがあります。炎症が強くなれば歯のまわりの組織にまで細菌感染が広がり、強い痛みや発熱を伴います。
また歯の根っこの先から細菌が顎の骨までに及ぶと、顎骨骨髄炎を引き起こして発熱や倦怠感、食欲不振を招くこともあります。
➁歯周病
歯周病菌は歯周ポケット(歯と歯茎の隙間)から侵入し、顎や心臓などに炎症を引き起こすことがあります。また誤嚥によってお口の中の歯周病細菌が肺に侵入し、肺炎を引き起こすケースもあります。これらはどちらも発症すると、発熱や痛みが出る可能性があります。
③歯根膜炎
虫歯が進行して歯髄炎(歯の神経が細菌感染をして起こる炎症)を引き起こし、歯の根っこ部分を覆う歯根膜やまわりの骨にまで感染して炎症が起きる病気です。
転倒による外的要因で、歯に強い力が加わることでも発症することもあります。症状が悪化すると顎下のリンパ節が腫れて痛みを生じ、歯痛や頭痛・発熱を伴います。
④歯根破折
くいしばりや、転倒による外部からの強い刺激によって、歯の根っこが折れてしまうことがあります。根っこの折れた部分から細菌感染をして、そのまま放置すると歯のまわりの組織にまで炎症が及び、痛みと発熱を伴う可能性があります。
⑤虫歯が発端で他の病気になって発熱
虫歯を発端に、歯とは直接関係のない病気になって発熱することもあります。上の奥歯の根っこの先あたりには、副鼻腔と呼ばれる空洞があります。
前述してきた通り、歯の根っこ部分まで細菌感染が起こると、まわりの組織にまで炎症が広がることがあります。上の奥歯の根っこの細菌が副鼻腔までに及ぶと、「副鼻腔炎」を引き起こし、発熱や鼻水に加えて、頭痛や歯が痛いと感じることがあります。
⑥お口の中の感染症から発熱
感染症によってお口の中に痛みが出て、発熱することもあります。例えばヘルペス性口内炎では、ヘルペスウィルスに感染することでお口の中がただれ、高熱が出ることもあります。
またお口の中が不潔な状態で発症する口腔カンジダ症では、カンジダというカビが繁殖して粘膜・舌に白い苔状のものが付着し、腫れて痛みを伴います。風邪や熱などが出たときなど、体の抵抗力落ちたときに発症しやすいとされています。
歯と無関係な病気から痛みや発熱が起こることも
子どもの歯の痛みや発熱は、歯とは関係のない病気から起こりうる可能性もあります。その一例として挙げられるのは全身疾患である心筋梗塞や、ストレス・頭痛などです。
またくいしばり等による悪習癖が口・顎まわりの筋肉に過剰な負担をかけ、歯が痛むケースもあります。その他にも風邪で発熱し、悪化して副鼻腔炎になると歯が痛いと感じることがあります。
風邪のウイルスが発端となって副鼻腔炎を発症し、副鼻腔に近い位置にある上の奥歯にまで炎症が伝われば、発熱や歯が痛い症状を引き出してしまうこともあります。
発熱や痛みの原因を自己判別するのは難しい
発熱と歯が痛い症状の関係性はとても深く、ここまで紹介してきただけでもさまざまな病気が原因として考えられます。そのため、判断がとても難しいです。
炎症や痛みが広範囲に及ぶと、大人でもどこが痛いのかよくわからなくなることがあります。ましてや子どもに発熱や強い痛みがある状態であれば、どこが痛んでいるのを詳細に伝えることは困難なケースも多いでしょう。
また痛む場所がはっきりしていたとしても、それが虫歯によるものなのか、体調不良が原因によるものかは判断に迷うことも多く、自己判断は難しいでしょう。発熱や痛みなどの気になる症状があれば、自己判断だけに頼らず、早期に医療機関へ相談することをおすすめします。
痛みは放置すると危険!早めに医療機関へ受診を
歯の痛みや発熱にはお口の中の病気だけに限らず、全身疾患が関与しているケースもあります。また全身疾患以外にも、風邪からくるものやストレス、歯周病や虫歯などあらゆる原因が考えられます。
そのため、原因を把握するまでに時間がかかる可能性もあるため、放置するのはとても危険です。仮に痛みがしばらくして引いたという場合でも放置せずに、一度医療機関で原因を調べることが大切です。
痛みが強ければ応急処置をしよう
子どもの歯の痛みが強いけれど、すぐには歯医者を受診できない場合もあります。その際は、以下の応急処置を行いましょう。ただ応急処置はあくまで一時的に痛みを軽減させるためのものです。お子さんのためにも、なるべく早めに医療機関を受診しましょう。
【歯の痛みがあるときの応急処置】
- ✅市販の痛み止めを服用
- ✅痛みが強い部分を濡れたタオルで冷やす(氷を包んでもOK)
- ✅お口の中をきれいにしておく
市販の痛み止めを服用する際は、薬剤師の指示に従って必ず用法容量を守るようにしてください。また、痛みがある部分を冷やす際には、頬っぺた側から冷やすと血流が遅くなり、痛みの緩和に繋がります。
ただ、冷やし過ぎは血行や循環に障害を起こしてしまうので、様子を見ながら行いましょう。適度に冷やすことは痛みの緩和に繋がりますが、入浴や運動などの体を温める行為は、血流を促進して痛みが増すため、控えておく必要があります。(入浴はせず、シャワー程度に済ませておきましょう)
あと病気からくるものとは別に、子どもの歯と歯の間に物が詰まった圧迫感から、痛みが出る可能性もあります。普段からお子さんのお口の中の状態を確認し、キレイに保ってあげましょう。
原因の判断が難しいため早めに医療機関へ受診を
子どもが発熱して歯が痛いと訴えるようなら、まずは炎症の状態が広範囲に及ぶものなのか、部分的なものなのかを確認しましょう。ケースによってもちろん異なりますが広範囲に及ぶものであれば小児科、部分的であれば歯医者でみてもらうのが好ましいです。
ただ自己判断が難しい場合があるので、まずは歯医者か小児科どちらかに連絡をして相談してみましょう。実際に診察しないと判断がつかないこともありますが、歯が痛い、発熱があるという場合はまずは早急に病院を受診することが大切です。
病気によっては症状が重く、強い痛みや発熱を伴う場合もあります。もし子どもが発熱して歯が痛いと訴えるような症状がありましたら、早めにはる歯科クリニックへご相談ください。
また当院では、まずは手軽に歯の悩みや、疑問を相談してみたいという方向けに、「LINE無料相談」も行っていますので、お気軽にご利用ください。
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はる小児歯科・矯正歯科クリニック 横須賀
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